痔核(いぼ痔)
痔核は、肛門に出来る静脈の“こぶ”です。肛門の内側に出来ると内痔核、外側に出来ると外痔核です。痔核が肛門の外に脱出した状態が脱肛です。
痔核は、二本足で歩く人間特有の病気と言われています。つまり、4本足で歩く、犬や猫は痔になりにくいのです。なぜならば、人間は立ったり座ったりしていると、心臓の位置が肛門より高くなります。犬や猫は、肛門の高さが心臓の高さと同じくらいなので、血液の環流が悪くなりにくいからです。
Q&A
- どんな症状ですか?
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出血や粘液が肛門から出たり、排便時にトイレット・ペーパーについたりします。出血は真っ赤(鮮血)なのが特徴です。痛みを感じることもあります。外痔核であったり、内痔核が脱肛したりすると、こぶを触れます。
- 治療はどうやってしますか?
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痔核の状況によって、治療方針が変わってきます。
- ① 薬物療法(内服薬、座薬)
内服薬や座薬で炎症を抑え、痔核を縮小させます。完全になくなるのは難しく、“じ主”として、お付き合いしていきます。便が硬い場合は、痔核が悪化するので、緩下剤を併用します。 - ② 硬化療法
痔核やその周りに薬剤(硬化剤)を注入し、痔核を縮小させます。 - ③ 結紮療法
ゴム輪で痔核を結紮し、血流を遮断して縮小させます。 - ④ 手術
薬物療法で効果が得られない、痔核が脱出して戻らない(嵌頓)、出血が止まらない、などの時に切除術を行います。また、血栓が出来て痛みが強い血栓性外痔核の場合、切開して血栓を除去することがあります。
- ① 薬物療法(内服薬、座薬)
- 日常生活で気をつけることはありますか?
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硬い便は、痔核を悪化させるので、排便習慣を整えることが重要です。立ちっぱなしや座りっぱなし、寒さ、ストレス、飲酒も痔を悪化させます。