高橋クリニック|過敏性腸症候群

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過敏性腸症候群

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過敏性腸症候群

過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome: IBS)は、機能性消化管疾患と呼ばれる疾患のひとつです。過敏性腸症候群は、大腸がんや炎症性腸疾患、感染性腸炎など、原因のはっきりした疾患(器質的疾患)を認めないにもかかわらず、長期にわたって腹痛や便秘、下痢などの排便の異常が続く病気です。

Q&A

過敏性腸症候群の症状は?

①週1回以上の腹痛が3か月以上続く、②便通異常がある、ことが目安になります。過敏性腸症候群には、硬い便やコロコロした“うさぎ”の便のようになる便秘型、水様や軟らかい泥状になる下痢型に分けられます(両者が混合する場合もあります)。

過敏性腸症候群はどうしてなるの?

細菌やウイルスによる感染性腸炎の後、発症するリスクが高いことが知られています。また、ストレスや不安によって発症するリスクが高くなったり、症状が増悪したりします。このような原因などで、腸内の常在菌が乱れてしまい、過敏性腸症候群が発症すると考えられています。

過敏性腸症候群の診断は?

大腸の内視鏡検査が重要になります。“A1”のような腹痛や便通異常の症状があるのにもかかわらず、内視鏡で大腸がんや炎症性腸疾患、感染性腸炎などの異常所見を認めない場合、過敏性腸症候群が疑われます。また、血液や便の検査で、その他の便通異常を起こすような病気が潜んでいないかを確認する必要もあります。

過敏性腸症候群の治療は?

① 食事療法
まず、規則正しく、バランスの良い食事を心がけましょう。脂質や香辛料の多い食事は、症状を悪化させることがあります。また、カフェインの摂り過ぎは腸管運動を刺激して、腹痛が強くなることがあります。

② 薬物療法

  • (1) 下痢型
    下痢型には、消化管内で水分を吸収して下痢を改善させる高分子重合体ポリカルボキシルフィルカルシウムが有効です。5-HT3拮抗薬と呼ばれる制吐剤、いわゆる“吐き気止め”のラモセトロンも有効です。止痢剤、いわゆる“下痢止め”が使用されることがありますが、便の回数や形状は改善するものの、腹痛に対する効果は、はっきりしていません。腹痛に関しては、平滑筋を弛緩させる抗コリン薬が使用されることがあります。
  • (2) 便秘型
    便秘型では、酸化マグネシウムなど非刺激性下剤は便秘型の過敏性腸症候群の治療に用いられています。一方、刺激性下剤は長期服用を避け、頓用で用いることが望まれます。その他、消化管運動を促進する薬剤、便秘症に使われる粘膜上皮機能変容薬や胆汁酸トランスポーター阻害剤が症状を改善させるという報告があります。
  • (3) プロバイオティクス
    乳酸菌やビフィズス菌、酪酸菌などの腸内細菌を整えるプロバイオティクス製剤は有効と考えられています。
  • (4) 漢方
    作用機序は完全には明らかになっていませんが、桂枝加芍薬湯、半夏瀉心湯、大建中湯など効果が期待できる漢方があります。
  • (5) その他
    抑うつ症状や不安症状など心理的な要因が関与することもあり、依存症状に注意しながら、抗うつ薬や抗不安薬を併用することもあります。小腸の細菌の異常増殖を抑える抗菌薬や食物アレルギーを抑える抗アレルギー薬が、過敏性腸症候群の症状を改善させるという報告があります。しかしながら、まだ日本では保険適用がありません。
その他に治療方法はありますか?

適度な運動が症状を改善させる効果が期待出来ます。また、心身の疲れやストレスなどの心理的な要因を改善させるために、十分な睡眠時間と休息を取ることも大事です。また、ペパーミントオイルは、腸の平滑筋を弛緩させて、過敏性腸症候群の症状を改善させるという研究の報告もあります。

規則正しい排便は、日常生活において、とても重要なことです。過敏性腸症候群のような症状が心配になりましたら、ぜひ、ご相談ください。