禁煙外来
喫煙によって、喫煙者のみならず、周りの人たちの健康が損なわれていきます。特に受動喫煙は、家族、友人、同僚だけではなく、“そばに居合わせた人”の健康を害する可能性があります。だから、禁煙をする事が、健康を守る近道になるのです。
禁煙をしたいと思ったら、ぜひ“禁煙外来”を受診してください。
Q&A
- 禁煙すると、健康は取り戻せるの?
禁煙開始年齢が早いほど、取り戻せる寿命は長くなります。生活習慣を含めて、健康維持に良いことは、禁煙>減塩>運動>節食>節酒、と言われています。
- 禁煙治療は難しいの?
たばこは大麻、覚せい剤より依存性強いため、止めるためには、相当な決意が必要になります。禁煙を成功させ、維持することは、なかなか難しいのが現実です。依存には精神的依存、身体的依存があります。精神的な依存にはカウンセリングによる治療、身体的依存には薬による治療が可能です。イライラ、集中力低下、だるさ、不安、不眠などの離脱症状は、最初の数日間が一番強く出ます。これを乗り越えると、離脱症状は、徐々に弱くなり、約3か月で消えます。
- 禁煙治療薬について教えてください
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禁煙治療薬には、医師による処方箋が必要な医療用医薬品と処方箋が不要な一般用医薬品があります。方法としては、ガム、パッチ(貼り薬)、内服薬があります。また、薬の種類として、ニコチン製剤と非ニコチン製剤があります。
- ① ニコチン製剤
ニコチンを含んだガムやパッチがあります。ニコチンが、体にゆっくり吸収されるので、離脱症状が軽くなります。 - ② 非ニコチン製剤
ニコチンが体の中でくっつく場所(受容体)に結合して、ニコチンの結合を妨げます。ニコチンよりも少ないドーパミンを出して、離脱症状を軽くします。
- ① ニコチン製剤
- 禁煙治療は保険で出来るの?
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次の条件を満たす人は保険適用になります。
- ① ニコチン依存症と診断された方
- ② 35歳以上の場合、ブリンクマン指数(1日の喫煙本数X喫煙年数)が200以上の方
(35歳未満の場合は、喫煙本数や喫煙年数によらず保険適用になります) - ③ 直ちに禁煙することを希望されている方
- ④ 禁煙治療の説明を受け、治療を受ける事を同意された方
ニコチン依存症かどうかは、次のテストで分かります。
TDSニコチン依存度テスト
- ① 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか?
- ② 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか?
- ③ 禁煙や本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか?
- ④ 禁煙したり本数を減らそうとしたりしたときに、次のどれかがありましたか?
(イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加) - ⑤ ④でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか?
- ⑥ 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか?
- ⑦ タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?
- ⑧ タバコのために自分に精神的問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?
- ⑨ 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか?
- ⑩ タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか?
上の10個の質問のうち、5個以上あてはまると、ニコチン依存症と診断されます。
- 昔、失敗したけど、また出来ますか?
大丈夫です。再治療は、前回治療開始後1年から、保険適用可能です。
- 禁煙治療の副作用はありますか?
副作用は吐き気、頭痛、便秘、不眠、悪夢、抑うつなどがあります。治療中に副作用が出たり、疑わしかったりした時は、主治医にご相談ください。